福島県西郷村にある三菱製紙社有林(FSC FM認証取得)にて社員たちの手でアカマツを伐採し、カレンダーの台座を製作。FSCの仕組みとともにその様子をご紹介します。
伐採は、FSCのガイドラインに沿って行われます。今回は三菱製紙グループがFSCガイドラインに基づき独自に作成したチェックリストを活用し、「作業を予定している範囲に希少野生動植物が生息していないか」など、多くの項目の確認を行ってから作業を開始しました。
FM認証(Forest Management)とは、森林を対象にした認証で、FSCの10の原則と56の基準に基づいて環境に配慮されたと認められた森に与えられるものです。さらに、そこで生産されたFSC認証材と、それ以外の材が混入しないように加工・流通されていることを認証するのがCoC認証(Chain of Custody)です。
伐りだした丸太はサイズを測り、さらにFSC認証材である証として切り口に緑の塗料で印を付け、他の木材と混ざらないようにします。さらに、伐りだした記録はきちんと書面で管理し、年1回認証機関のチェックを受けます。
三菱製紙の外部委託先であるみなみ製材所で、CoC認証の手順に則って製材を行います。敷地には製材を待つ多くの木材が置かれていますが、今回伐りだしたFSC認証材は、他の丸太と混ざってしまわないよう1か所に集められて管理されます。必要なサイズに切断し、さらに台座として利用するために細かい加工を行うフロンティアジャパン㈱福井工場へ出荷します。
当社は国産間伐材によるノベルティグッズの製作を行うフロンティアジャパン㈱と協働関係を築いています。FSCにも対応しており、森林保全に貢献したいという多くのお客様のニーズに合致していることから、非常にご好評いただいています。
カレンダーそのものの製作は名古屋に拠点を置く印刷会社、㈱マルワに協力をお願いしています。カレンダーに掲載するハートのイラストを月ごとに選定。何度もやり取りをしながらデザインや内容を決定していきます。校了後は、三菱製紙のFSC認証紙に印刷。フロンティアジャパン㈱から届いた台座と組み合わせれば、カレンダーの完成も目前です。
東日本大震災をきっかけに、すべての人、すべての生きものがこの地球上で調和して幸せに生きていけることを願って、フェイスブックやツイッターを通してハートの絵を発信し続けているイラストレーターの茶畑和也さん。その思いは当社の取り組む生物多様性の保全というテーマと重なっており、2014年からその絵をお借りしたカレンダーの製作をスタートさせました。
たくさんの方々のご協力の下、無事にカレンダーを完成させることができました。カレンダーを手にしてくださった皆さんに、ぜひ森や環境保全について考え、ともに行動する輪に加わってほしいと願っています。
これらの過程の中で、認証を取得していない事業者に一度でも所有権が移るとそれ以降、FSC認証品とは認められません。厳しい管理の下に製作された商品にだけ、FSCマークをつけることができるのです。