2015年6月26日をもちまして代表取締役社長に就任いたしました。私はこれまで三菱製紙株式会社においてメーカー営業一筋で、お客さまに支えていただきましたので、顧客起点で考えることを経営の基本としております。今後は流通の立場、よりお客さまに近いところで、三菱製紙販売としてめざすべき企業像とそれを実現するための経営方針を設定していきます。
わが国の経済が金融・経済政策による景気へのプラス効果の期待感がある中で、紙パルプ業界においては需要構造の変化が拡大し長期的な市場縮小傾向が続くと想定されています。当社はこの厳しい経営環境下、「創意工夫」を重ね、「全員参加の経営」で難局を乗り切る所存です。
当社はメーカーとお客さまをつなぐ代理店としての機能をさらに高めていきます。市場や社会が求めているものを的確にとらえ、三菱製紙のみならず北越紀州製紙、大王製紙などの各製紙メーカーの強みを活かせるような、より強力な販売システムを構築したいと考えております。今後も開かれた販売会社として、洋紙販売事業を基軸としていくことに変わりはありませんが、これまで取り組んできている環境事業やSafty&Health事業が着実に育っていますので、さらなる発展に向けて注力してまいります。
販売機能や商品開発機能の強化とサービスの充実を図り、お客さまをはじめすべてのステークホルダーの期待に応えられるよう、努めていきます。そのためには、お客さまとの関係強化、新ビジネスモデルの構築、新事業の展開、高付加価値商品の拡販を積極的に進めると同時に、業務プロセスの合理化や物流システムの再構築等も推進してまいります。
困難な状況においてこそ、ガバナンスや危機管理、基本的人権の尊重、公正な事業のための教育と監査、働きやすい仕事環境の整備、安全安心な商材の提供、地域社会との連携と社会貢献などを疎かにしてはならないと考えています。
環境課題への取り組みにつきましては2001年からISO14001環境マネジメントシステムを運用しており、2002年に国内流通業として最初にFSC®森林認証紙の販売を始めました。2013年より環境事業の一環として、FSC応援プロジェクトを運営しFSCの認知度向上と利用の促進のためにさまざまなイベントも開催しています。従業員自らが森を知ることから始めようと森林保全ボランティア作業を定期的に開催し、環境をキーワードに産学連携や地域連携も始めました。
持続可能な社会の実現に欠かすことのできない取り組みは従業員による環境改善活動だけに止まることはできません。一昨年、昨年と、経営者と従業員によるワークショップを2回開催し当社の課題や強み、めざすべき姿を議論しました。今までの発想から一歩踏み出して、事業を通じて社会的課題の解決に貢献できる商材やサービスをお客さまや消費者、地域との対話、協働によって創造していく。サプライチェーン全体で最適化する。こうした取り組みが当社の企業価値向上に結び付くものと考えております。
当社の基盤は人です。従業員の成長がなくては事業の発展や社会的課題の解決はできません。主体的に判断、行動できる人財を育成する教育プログラムを充実させていますが、今後も知識面だけでなく意識面の高揚に重点を置きたいと思います。私は従業員に「情熱・熱意」を呼び掛けています。何事に対しても熱意を持ち、すべての人に対して関心と愛情を注ぐことによって道は拓けると信じています。
FSC® C011851