CSR  Report  2017 三菱製紙販売株式会社

CSR Report 2017 特集

森から目指す未来のゴール〜FSC®がSDGsをバックアップ〜

2015年に国連サミットで採択された国際目標SDGs。当社のFSCに関する取り組みはSCGsに貢献しています。

FSC®認証材を使ったハートのカレンダーができるまで

2014年にスタートしたカレンダープロジェクト 今年は社員の手で伐りだした木を使っています

 福島県西郷村にある三菱製紙社有林(FSC FM認証取得)にて社員たちの手でアカマツを伐採し、カレンダーの台座を製作。FSCの仕組みとともにその様子をご紹介します。

FSCの森で木を伐採します

伐採前の確認作業から正確に

 伐採は、FSCのガイドラインに沿って行われます。今回は三菱製紙グループがFSCガイドラインに基づき独自に作成したチェックリストを活用し、「作業を予定している範囲に希少野生動植物が生息していないか」など、多くの項目の確認を行ってから作業を開始しました。

FM認証・CoC認証とは?

FM認証(Forest Management)とは、森林を対象にした認証で、FSCの10の原則と56の基準に基づいて環境に配慮されたと認められた森に与えられるものです。さらに、そこで生産されたFSC認証材と、それ以外の材が混入しないように加工・流通されていることを認証するのがCoC認証(Chain of Custody)です。

エコシステムアカデミー 長田雅一

木材を管理・運搬します

緑のスプレーはFSC認証材の証

 伐りだした丸太はサイズを測り、さらにFSC認証材である証として切り口に緑の塗料で印を付け、他の木材と混ざらないようにします。さらに、伐りだした記録はきちんと書面で管理し、年1回認証機関のチェックを受けます。

CoC認証による適切な管理の下、木材を加工しますCoC認証による適切な管理の下、木材を加工します

アカマツの一枚板が時間をかけてカレンダーの台座に変身

 三菱製紙の外部委託先であるみなみ製材所で、CoC認証の手順に則って製材を行います。敷地には製材を待つ多くの木材が置かれていますが、今回伐りだしたFSC認証材は、他の丸太と混ざってしまわないよう1か所に集められて管理されます。必要なサイズに切断し、さらに台座として利用するために細かい加工を行うフロンティアジャパン㈱福井工場へ出荷します。

三菱製紙販売が取り扱う間伐製品ラインナップ

当社は国産間伐材によるノベルティグッズの製作を行うフロンティアジャパン㈱と協働関係を築いています。FSCにも対応しており、森林保全に貢献したいという多くのお客様のニーズに合致していることから、非常にご好評いただいています。

イラストを選定し、FSC認証紙に印刷しますイラストを選定し、FSC認証紙に印刷します

カレンダーがつなぐ様々な絆

 カレンダーそのものの製作は名古屋に拠点を置く印刷会社、㈱マルワに協力をお願いしています。カレンダーに掲載するハートのイラストを月ごとに選定。何度もやり取りをしながらデザインや内容を決定していきます。校了後は、三菱製紙のFSC認証紙に印刷。フロンティアジャパン㈱から届いた台座と組み合わせれば、カレンダーの完成も目前です。

幸せへの願いを込めて描かれたハートのカレンダー

東日本大震災をきっかけに、すべての人、すべての生きものがこの地球上で調和して幸せに生きていけることを願って、フェイスブックやツイッターを通してハートの絵を発信し続けているイラストレーターの茶畑和也さん。その思いは当社の取り組む生物多様性の保全というテーマと重なっており、2014年からその絵をお借りしたカレンダーの製作をスタートさせました。

ハートカレンダーの完成です

毎日目にするアイテムだからこそ込めた想い

 たくさんの方々のご協力の下、無事にカレンダーを完成させることができました。カレンダーを手にしてくださった皆さんに、ぜひ森や環境保全について考え、ともに行動する輪に加わってほしいと願っています。

厳しい管理の下で作られた商品にだけ認められるFSCマーク

これらの過程の中で、認証を取得していない事業者に一度でも所有権が移るとそれ以降、FSC認証品とは認められません。厳しい管理の下に製作された商品にだけ、FSCマークをつけることができるのです。