CSR  Report  2017 三菱製紙販売株式会社

トップメッセージ

未来への飛躍をめざして 「変革と成長」の 実現に取り組みます。

会社設立45周年を迎えた三菱製紙販売。 その先頭に立つ牛島光夫社長と、 次代を担う若手2人による対談を実施しました。 当社の今

対談した人

  • 直需二部
    直需第4チーム 主任

    渋谷 えり

    エンドユーザーのお客さまとの直接のやり取りの中から、ニーズを捉え最適な提案をしていく直需二部に所属。昨年からFSCの取り組み「ハートのカレンダープロジェクト」にも参加。

    渋谷 えり
  • 経理部 経理チーム兼
    審査・法務チーム 主任

    石毛 真人

    入社後、経理部に配属。その後、営業部門の卸商部を経て、再び経理部へ。現在は、三菱製紙グループが進めるGKK(業務構造改革)のアンダープロジェクトにも参加

    石毛 真人

FSC®の森で学んだことを 次の世代へ伝えていく。

まずはじめに、三菱製紙販売株式会社のご紹介と紙業界を取り巻く現在の状況について伺いたいと思います。

牛島

当社は、1921年に三菱製紙所の西日本地区販売代理店として創業しました。その後、合併統合を経て、いまから45年前の1972年に現在の社名となったのです。以来、三菱製紙グループの強いブランドを基盤として、紙や紙にまつわる商品を社会に提供し、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまとともに歴史を紡いでまいりました。

現在、紙業界全体を取り巻く環境は厳しい状況にあります。少子化、電子メディアの隆盛により、紙需要は減少傾向にあり、対前年比で減少が続いております。しかし、この大きなうねりに対して、じっと待っていてはいけません。むしろ、いまこそ変わらなければいけない時を迎えたのだと考えています。

「変革と成長」は、今年、私が掲げたキャッチフレーズです。当社の従業員はおよそ300名。いざ動こうと思えば、ひとつとなって動くことができます。小回りを利かせながら正しい舵取りをしていくことが、事業の成長を促し、変革を実現すると確信しています。

その舵取りのひとつが、FSCへの取り組みです。世界的な知名度と浸透が見られるFSCを国内で最も早く取り入れた当社の優位性を生かし、さらなる拡大に努めたいと思います。

渋谷さんは今年、FSCの取り組みとして
福島県西郷村にあるFSCの森「白河甲子の森」でアカマツの伐採を体験されました。

渋谷

当社で毎年製作しているオリジナルのノベルティーカレンダー「ハートのカレンダー」には、生物多様性の保全への思いを込めるためFSC認証紙を使い、台座にもFSC認証材を使っています。昨年からこの「ハートのカレンダープロジェクト」に携わるなかで、いつしかFSCの森がどのように管理され、木が伐り出され、製品となっているのか、自分の目でしっかりと見たいと思うようになりました。そこで実際に「白河甲子の森」でアカマツの伐採をしようということになったのです。実際に森に入ると、いろいろな種類の木がありますが、間伐されているため日の光が地面まで届き、明るい雰囲気を肌で感じることができました。

牛島

FSCに取り組むことで、環境保全というものを身近に考えてもらいたいという思いがあります。自分の目で見ることは、まさに身近に感じることです。実際に間伐に行き、木を育てることの大切さを知り、その1本1本が製品となり、それをユーザーにお届けするということを実感することはとても大切ですよね。

渋谷

本当にそう思います。これまで三菱製紙販売で働きながらFSCを学ぶなかで、管理して育てることの大切さを学んできました。今回、森へ足を運び、伐り出された木材が加工され、手元に届くまでのドキドキした気持ちを知ったことで、この「ハートのカレンダー」を環境のツールとして、お客さまへどのように伝えていこうかという課題や目標も見つけることができました。

牛島

正しく伝えることはとても大切。子供たちや若い人の多くは、木を伐ることに対して良くないイメージを持っています。そうではなく、生態系を守り、生物多様性に悪影響を与えないように製品を作っていることを伝えていかなければいけません。そのとき、実際に自分で体験した上での表現の力強さが発揮されるはずです。そのように若い世代に対して理解を深めていく活動というのは、森林の育成と一緒で地道に育てていくことなのだと思います。

成長戦略とともにある 業務構造改革の目指す先。

「変革と成長」というキャッチフレーズにおいて、牛島社長が掲げる成長戦略について教えていただけますか。

牛島

成長戦略のひとつの柱としているのが新商材です。AED(自動体外式除細動器)や、LED製品、防災グッズ、介護補助製品といったように世の中の環境や時代のニーズを捉え、安心・安全および健康をサポートするSafety&Health事業としてこれらの新商材を扱っていきます。紙の需要がシュリンクしていくなかで、新商材がそれを補い、また成長していくものと考えています。

もうひとつの柱となるのが、海外展開です。当社はこれまで国内販売を中心に事業を展開してきました。今後は、海外メーカーとの取引を通じて、まだ日本にない製品を探し、国内のお客さまのニーズに合わせて提案していきます。同時に海外のお客さまとも様々な接点を持つことができるよう、準備を進めていきます。

これからは、紙と新商材と海外展開をミックスしなかがら成長戦略を描いてまいりたいと思います。

成長戦略の実現のためには、「変革」もまた重要になってくると思われます。

牛島

変革ということでは、2017年4月に組織変更を行いました。部と部の間にある垣根をなくし、それぞれが持っている情報を有効に活用することで、販売力の強化を図ることのできる体制を敷きました。

当社の従業員はおよそ300名と申しましたが、コミュニケーション力が高まれば社内は今よりもっと円滑に動き出します。

では、組織変更をした後、コミュニケーション力を含め、個々の力を高めるためには何をすればいいのか。それが働き方改革です。従業員が自己研鑽に励むことで能力を高めることです。自分のために何かを学び、積み重ねていくことで広い視野が得られます。ところが、従業員がオフィスに滞在する時間が長ければ、自己研鑽はできません。また、三菱製紙グループが取り組むGKK(業務構造改革)プロジェクトに当社も積極的に関わっていきます。

石毛

私はGKKの当社アンダープロジェクトメンバーに選任されたのですが、選ばれたときには驚きました。一方で選ばれたからには自分の成長にも繋がることだという思いもあり、責任を持ってやり遂げたいと思っています。

いま私が取り組んでいるのは、チーム内のジョブローテーションです。ある業務を誰か1人が長く担当していると、そのやり方が果たして効率的なのか見えない部分があります。そのため、ジョブローテーションをすることで、誰もがその業務を担当できるようにし、同時に業務の効率化を図ろうとしています。

牛島

GKKの目的のひとつは無駄を省き業務を効率化することです。色々な角度からみんながいまの組織を見ることで、無駄を簡略化し効率を上げ、機能性を高めることができる。そんな実感はあるかな?

石毛

はい。GKKに参加したことで、業務全体の流れを把握しようという意識が生まれました。そういう視点を得たことで、いままでは気づかなかった、「ここは改善できるかもしれない」ということを日頃から考えるようになったことに、自分自身の変化を感じています。そうした積み重ねが、全社的な業務構造改革に繋がっていけばいいなと思っています。

牛島

ぜひ、君たちのような若い視点で、切り口を見つけていってください。大いに期待しています。

クリーンな企業であることが事業の継続を可能にする。

会社設立から45周年を迎えました。これから先、どのような企業をめざしていかれるのでしょうか。

牛島

事業は何より継続です。そして、継続のためには世の中の状況、環境にマッチする機動性のある企業でなければいけません。それからクリーンな企業であること。つまり、コンプライアンスを重視することも事業継続性においては重要です。

実は、働き方改革の取り組みの一環でもありますが、当社は東京都中央区の「ワーク・ライフ・バランス推進企業」として認定されました。これは、従業員が働きやすい環境を作ることをめざして取り組んできたひとつの成果といえ、またクリーンな企業であることの証でもあると思います。当社がこうして長い歴史を紡ぐことができたのも、OBの方々がとてもいい社風を作り上げてくださったことと、やはり従業員がいたからこそだと思っています。そして、次の50年、100年を見据えて、ステークホルダーの皆さまとともに、新しい未来を作るために歩んでまいりたいと思います。

盾
当社は今年、「中央区ワーク・ライフ・バランス推進企業」に認定されました。全社的な取り組みにより、育児・介護との両立支援、働きやすい職場環境づくり、地域活動が認められました。

コミュニケーション × 働き方改革 = 新しい未来

次の50年、100年を見据えて、
ステークホルダーの皆さまとともに、
歩んでまいりたいと思います。